2011.03.26
香港国際映画祭『Love Letter』
『ヴァンパイア』上映に寄せて
この度は香港映画祭に参加出来なくなり、大変残念です。
ご存知のとおり、日本では大きな地震と津波があり、原子力発電所が事故を起こしました。
いまも地震は続いていて、また大きな地震が来るのではと恐怖しています。
そして原子力発電所が爆発し、日本じゅうに放射能が降るのではと怖れています。
地震という自然の恐ろしさ、
原子力発電所を野放しにした人間の愚かさ、
その両方を同時に痛感する事態となりました。
なのに日本では危機は去った放射能は安全だという報道しかなされていません。
まるで放射性物質 を花粉と思い違えているかのようです。
狂気の沙汰です。
「ただちに害はない」という言葉だけがテレビで叫ばれ続けています。
そんなことは誰でも知っているはずでしょう。相手は放射能です。
ただちに害はないものだし、そして一生身体を蝕むものです。
ところがそんなわかりきった話がどこかに置き去りにされています。
広島長崎の体験はいったいなんだったのか?
中国にも及ぶ危険性のある事故です。
海外の人たちからもっとプレッシャーをかけて欲しいです。
報道がより深刻な被害を引き起こさないかと心配です。
という危機的状況で僕は僕で自分のできることをできる限りしなければと思っています。
香港に来れなかったことは非常に残念ですが、
このことが伝えられるだけで僕は本望です。
思い返せば「ラヴレター」 を作った年は神戸で大地震があり、
カルトがサリンを東京にまいた年でした。
神戸大地震が1月、サリン事件が3月、そしてラヴレターは4月に公開されました。
「リリイ・シュシュのすべて」がニューヨーク映画祭に招待された半月前が911。
そして今回「ヴァンパイア」もこういう時期と重なってしまいました。
ふりかえれば僕は決して平坦ではない時代によりそいながら、
作品を作り続けてるのだと実感します。
これは僕だけでなく、映画だけでなく、誰もが世界のどこかで、
今の時代を生きていて、それは決して平和ではない、
楽しいだけのものではない、そういう時を生きているのだ、と。
そんなことを考えさせられます。
そして僕らになにができるのか、ということに ついて、
僕らがなぜ映画を作るのか、ということについても、考えさせられます。
「ラヴレター」は僕の個人的な体験が多く反映された作品です。
舞台は小樽ですが、故郷仙台で過ごした中学時代の想い出がたくさん織り込まれています。
仙台と、仙台を含む宮城県、岩手県がもっとも津波の被害の多かった地帯です。
いまは津波で多くの街が瓦礫の山になってしまいました。
けどいつかそこにも花は咲くでしょう。花を咲かせたい。
そして僕はその花を映画にしたい。
そんな日が一刻も早く来るように、皆さん、ご支援よろしくお願いします。
岩井俊二
ご存知のとおり、日本では大きな地震と津波があり、原子力発電所が事故を起こしました。
いまも地震は続いていて、また大きな地震が来るのではと恐怖しています。
そして原子力発電所が爆発し、日本じゅうに放射能が降るのではと怖れています。
地震という自然の恐ろしさ、
原子力発電所を野放しにした人間の愚かさ、
その両方を同時に痛感する事態となりました。
なのに日本では危機は去った放射能は安全だという報道しかなされていません。
まるで放射性物質 を花粉と思い違えているかのようです。
狂気の沙汰です。
「ただちに害はない」という言葉だけがテレビで叫ばれ続けています。
そんなことは誰でも知っているはずでしょう。相手は放射能です。
ただちに害はないものだし、そして一生身体を蝕むものです。
ところがそんなわかりきった話がどこかに置き去りにされています。
広島長崎の体験はいったいなんだったのか?
中国にも及ぶ危険性のある事故です。
海外の人たちからもっとプレッシャーをかけて欲しいです。
報道がより深刻な被害を引き起こさないかと心配です。
という危機的状況で僕は僕で自分のできることをできる限りしなければと思っています。
香港に来れなかったことは非常に残念ですが、
このことが伝えられるだけで僕は本望です。
思い返せば「ラヴレター」 を作った年は神戸で大地震があり、
カルトがサリンを東京にまいた年でした。
神戸大地震が1月、サリン事件が3月、そしてラヴレターは4月に公開されました。
「リリイ・シュシュのすべて」がニューヨーク映画祭に招待された半月前が911。
そして今回「ヴァンパイア」もこういう時期と重なってしまいました。
ふりかえれば僕は決して平坦ではない時代によりそいながら、
作品を作り続けてるのだと実感します。
これは僕だけでなく、映画だけでなく、誰もが世界のどこかで、
今の時代を生きていて、それは決して平和ではない、
楽しいだけのものではない、そういう時を生きているのだ、と。
そんなことを考えさせられます。
そして僕らになにができるのか、ということに ついて、
僕らがなぜ映画を作るのか、ということについても、考えさせられます。
「ラヴレター」は僕の個人的な体験が多く反映された作品です。
舞台は小樽ですが、故郷仙台で過ごした中学時代の想い出がたくさん織り込まれています。
仙台と、仙台を含む宮城県、岩手県がもっとも津波の被害の多かった地帯です。
いまは津波で多くの街が瓦礫の山になってしまいました。
けどいつかそこにも花は咲くでしょう。花を咲かせたい。
そして僕はその花を映画にしたい。
そんな日が一刻も早く来るように、皆さん、ご支援よろしくお願いします。
岩井俊二











